日本人に心地よいリズム?七五調の歌
みなさん、こんにちは!
気付けば2020年も残り3日ですね。
この時期になってくると、テレビでも様々な特番が放送されますが
歌番組も多くなってきますよね。
今年は特にいろいろとありましたが、それを支えるように
歌で元気づけられた、ということもあったのではないでしょうか。
今回はそんな歌とリズムに注目してみたいと思います!
突然ですが、みなさんは短歌や俳句を詠んだことはありますか?
学生時代に、授業でやったという方も多いかと思います。
それぞれ、5・7・5・7・7と5・7・5音で作成されていますよね。
5・7のリズムで詠まれるものは五七調、
7・5のリズムで詠まれるものは七五調といい、
それぞれ歴史は古いものになります。
五七調の代表例が万葉集で、5・7のリズムを繰り返すことで、
素朴ながら重々しく、力強い印象になっています。
対して、七五調の代表作は古今和歌集。
7・5のリズムを繰り返すことで、軽やかで優しく、柔らかな印象になります。
さて、五七調も七五調も歴史や古典の授業を思い出してしまうと
なんだか難しいイメージしかありませんが
この、5と7を使ったリズム、
特に七五調が、実は歌にも使われているって知っていましたか?
歌詞にした場合、7文字のところが
8文字になっていたりするものもあるので、
文字だけカウントしていると気付き辛いかもしれません。
いくつかピックアップしてみましょう!
●童謡『どんぐりころころ』
どんぐりころころ どんぶりこ
おいけにはまって さあたいへん
●テレビドラマ水戸黄門主題歌『ああ人生に涙あり』
じんせいらくありゃ くもあるさ
なみだのあとには にじもでる
●チェッカーズ『ギザギザハートの子守歌』
ちっちゃなころから わるがきで
じゅうごでふりょうと よばれたよ
こう聞くと、なんとなくわかるような気がしませんか?
リズムがよく、聞いていて心地よい感じがしますよね。
学校の校歌も、七五調が使われているものが多いです。
ところで、なぜ七五調は心地よいリズムに聞こえるのでしょうか?
これには、ちょっと不思議な理由があるのです。
日本語は、2音でひとつのリズムになっているのだそう。
例えば『色鉛筆』の場合、
言葉の意味の区切りとしては「いろ」「えんぴつ」ですが
発音する場合、「いろ」「えん」「ぴつ」というリズムを取ります。
次に、音楽で考えてみましょう。
リズムの基本ともいえるのが四分の四拍子と言われるものです。
よく、楽譜などで見る、4/4となっているやつですね。
|♩♩♩♩|のように、四分音符4つで、1小節です。
四分音符の半分、八分音符は
|♪♪♪♪♪♪♪♪|で、
これは八分音符二つで四分音符ひとつ分、となります。
鋭い方はなんとなく気付いたかと思います。
2の倍は4、4の倍は8ですよね。
音楽と同じように、日本語のリズムも2音ずつ、
4音や8音のひとまとまりになっているほうが心地よく聞こえるのです。
でもこれが、七五調とどんな関係があるの?と思いますが
七五調は休符も含めて考えるのだそうです。
例えば、『古池や蛙飛こむ水のおと 』という
松尾芭蕉の有名な句で見てみましょう。
『ふるいけや(休符) かわずとびこむ(休符) みずのおと(休符)』
意識して発音してみると、
確かにそれぞれの語句の間に休符が入っているのがわかります。
それにより、テンポよく読むことができ、
また俳句ならではの良さ、語句の余韻であったり
この句の背景などを想像しやすくなっているように思います。
冒頭でも書きましたが、年末は歌番組も多くなります。
そこで、改めて七五調の歌に注目してみるのはいかがでしょうか?
今までとは違った見方で、歌を楽しめるかもしれません。
余談ですが、七五調の歌は歌詞とメロディーを入れ替えても
違和感なく歌える歌が多い、という面白い遊びもできます。
例えば前述した『どんぐりころころ』と同じ童謡の『こいのぼり』。
これらの歌詞とメロディーを入れ替えても歌えてしまいます。
他にも七五調の歌はたくさんありますので
お子さんと遊びながら、日本語のリズムを楽しんでみてください。
さて、今年のママ職ブログも今回で最後になります。
今年一年間、ありがとうございました。
そして、来年2021年度もみなさんに楽しんでいただけるよう
様々な情報をこのママ職ブログでお伝えしていきたいと思います!
みなさん、よいお年をお迎えください。