お手本にしたいエコ都市江戸
みなさん、こんにちは。
気付けばもう11月も半ばですね。
年賀状のCMなどもよく見るようになってきて、
「あぁもう年末か~」と思う今日この頃です。
ところで、突然ですが、本日16日は何の日かご存知でしょうか?
実は、毎月16日は『エコの日』なんです。
『エコの日』とは、『環境にいいことをする日』という意味なのですが
その由来は、京都議定書が発効した2月16日にちなみ、
京都市が毎月16日を
「DO YOU KYOTO?デー」と定めたことから一般化したそうです。
また、「DO YOU KYOTO?」は
「環境に良いことをしていますか?」という意味で
世界中で使われる言葉にもなっているんですよ!
そこで、今回はエコの日にちなみ、
江戸の町のエコに注目をしたいと思います!
なぜ江戸?と思われると思いますが
実は江戸の町は、それこそ究極のエコ都市と言われるほど
素晴らしいシステムが確立されていたのです。
それでは江戸で、どのようなエコシステムがあったのか見ていきましょう!
江戸の人々は物を大切に使っていました。
お茶碗などが割れたり、欠けたりしても捨てずに焼き継ぎ職人に頼んで、
元のように直してもらっていました。
お鍋やお釜といった、調理器具穴が開いた時は鋳掛屋(いかけや)さん。
傘、臼、包丁、そろばん、提灯、煙管に…と
使うものは何でもそれを修理する専門の職人さんがいたのです。
また、古着のリサイクルシステムもありました。
江戸時代の衣服を買うところ、というと呉服屋さんというイメージですが
これは裕福な人が買うところで、
庶民はやはり手が高くてなかなか手が出せなかったのだそうです。
そこで、庶民は古着屋で買った着物を着ていました。
この古着も、家庭内で徹底的に使われていたんですよ。
大人が着たもので古くなったり破れたりしたら、
子どもサイズに仕立て直し、さらにボロボロになったら、おしめや雑巾にし、
使いにくいものは端切れ屋さんに売ってしまい
とことん使いまわした端切れは、最後に燃やして灰にしたのだそうです。
さて、先述した古着を燃やしてできた灰ですが、
これもまたリサイクルされていたというから驚きです!
江戸時代における灰は、様々な用途に使われていました。
農業用の肥料として使われていたり、洗剤の替わりとして使われていたり、
なんと傷薬としても使われていたんだとか!
そのため、灰買いという職業があったのだそうです。
同じように、生活していて出てくる紙ごみや、
道端に落ちている紙ごみを回収する業者がいました。
こうして回収された紙ごみは、選別され、
トイレットペーパー代わりの再生紙として
漉き直されてまた使われていました。
リサイクルトイレットペーパーはよく見かけますが、
ルーツが江戸時代だったのは驚きですね!
今の私たちからしたら、「えっ?!こんなものまでリサイクルしていたの?」と
驚くものもたくさんあります。
例えば、武家の人たちのように
上流階級の人たちが頂いた手土産や贈答品。
当時は、食べ物でもらうことが多かったのですが、
食べきれない分の贈答品を買い取る献残屋(けんざんや)がありました。
当時は、冷蔵庫などもないですから、
せっかく頂いたものを食べきれずに腐らせ捨ててしまうより、
必要な人のところへ渡るのはいいことですよね。
また、女性が髪を梳かした時に出る抜け毛。
これらも集めて買い取られていたというから驚きです。
抜け毛なんて何に使うの?と思いますが、集めた髪の毛は「かもじ」といい
今でいうカツラやエクステのようにして使用していました。
髪の毛の長さを足したり、
髷を結う時のボリュームを足したりするときに便利だったようです。
そして、汲み取り式だった江戸時代のトイレ。
人が排泄したものはもちろんですが、
馬などの動物の排泄物を回収する業者さんもいました。
ご存知の方も多いかもしれませんが、
こうした糞尿は野菜を育てるための肥料として使われていたのです。
ヨーロッパなどでは、トイレが少なく、
窓から排泄物を捨てていたり、川にそのままゴミを流したりしていたので
悪臭とその不潔さから、疫病が発生していたことを考えると
江戸を訪れた外国人たちが、
その綺麗さに驚いたという話にも納得できますよね。
いかがでしたか?
こうしてみてみると、江戸時代の人たちは
物を大切にしていたのがよくわかりますよね。
かつて、世界一の人口が住みながらも、
素晴らしいリサイクルシステムで社会が回っていた町。
江戸時代のシステムを、現代に取り入れていくのは
難しい部分も多々あると思います。
ですが、少ないものでも、大切に使い、壊れたら直す。
そして排出されたものはゴミとして見るのではなく、
資源として再利用していく。
現代の私たちも、こうした姿勢は
ご先祖様を見習って生かしていきたいですね。
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