なぜ『いただきます』なのか?日本の食文化の背景を知ろう!
みなさん、こんにちは!
昨日は、ゴールデンウイークの最終日&母の日でしたが、
どんな1日を過ごされたでしょうか。
きっと、お母さんのために!とお子さんが作ってくれた料理などを囲み、
家族団らんのひと時を過ごされた方も多いことと思います。
我が子たちが作ってくれた料理となると、その美味しさは格別ですよね!
さて、家族団らんでの食事時はもちろんですが、
普段の食事前に必ず聞こえてくる「いただきます」の言葉。
この言葉が、いつから、なぜ言われるようになったのか、
みなさんご存知でしょうか?
子どもたちには日頃から、「いただきます」を言うように、と
教えているけれど、いざその意味や歴史などを聞かれると、
思いがけず答えに詰まってしまいますよね(汗)
そこで今回のママ職ブログでは、「いただきます」の歴史を
紐解きながら、日本ならではの食文化について、
学びを深めていきたいと思います!
★まずは語源や意味を知ろう!
いつも何気なく使っている「いただきます」の言葉。
その語源は、神様が宿るとされる山の頂上や頭のてっぺんを
「頂(=いただき)」と言っていたことに由来します。
そこから、「いただく」という言葉は、大切なものを頭の上に
うやうやしく捧げ持つ言葉へと発展したのだそう。
さらに中世以降では、神様にお供えした食料を食べる時や、
目上の人から物を受け取るときに、それを高く掲げたことから、
「食べる」や「受け取る」の謙譲語として使われるようになります。
それがやがて、食材となるもの全ての命を
私たちの命に代えさせていただいている、という感謝の気持ちや、
その食事を整えるのに携わった全ての人に対する感謝の気持ちを込めて、
食事前の挨拶として定着していったのです。
食事を前にして、手を合わせて頭を下げる動作も、
「頭上にいただく」という動作が語源にあると思えば、
自然なことかもしれませんね。
ちなみに、「ごちそうさま(=御馳走様)」の「馳走」は、
“走り回る”という意味で、今のように冷蔵庫もスーパーもない時代に、
食事を出してもてなすために奔走する様子を表した言葉です。
やがて、丁寧語の「御」をつけて“もてなす”という意味や、
贅沢な料理を意味するようにもなりました。
そしてさらに、食事を準備してくれた方への感謝の気持ちを込めて、
「様」がつくようになり、食事の後の挨拶となったのです。
(potecoさんによる写真ACからの写真)
★実はまだ歴史が浅い習慣だった?!
では、食事前に「いただきます」と言うようになったのは、
いつ頃からなのでしょうか?
具体的な時期は定かではないようですが、
日本が軍国主義化していった時代(1930年代=昭和初期)ごろからの
しつけや教育による影響が大きいと考えられています。
つまり、「いただきます」が定着し始めてから今日に至るまで、
まだ100年も経っていない、ということになります。
また、「いただきます」「ごちそうさま」ともに方言がないことから、
これらの言葉はテレビや新聞ができてから全国に広まったのではないか、
という指摘もあるのだとか。
実は、意外と新しい習慣だったことに驚きですね。
(akicyaさんによる写真ACからの写真)
★「いただきます」は外国語に訳せない?
ところで、海外での食事前の挨拶には
どのようなものがあるのでしょうか?
気になったので調べてみると、次のような言葉があるようです。
▶英語…「Let’s eat/レッツイート」=食べましょう
▶フランス語…「Bon appétit /ボナペティ」=召し上がれ
▶韓国語…「잘 먹겠습니다/チャルモクケッスムニダ」=よく食べます
これらの他、中国語に「我先吃啦/ウォシェンチィラ」という言葉も
あるようですが、いずれも日本の「いただきます」にぴったりと
当てはまるような言葉ではなく、言う習慣もあまりないそうです。
また、食事前に神様に祈りをささげる国もありますが、
日本の「いただきます」や「ごちそうさま」のように、
命や、食事に携わった人への感謝を込めた挨拶を行っているところは
他に無いようです。
つまり、「いただきます」や「ごちそうさま」は、
日本独自の考え方や食文化が色濃く反映された言葉だったのです。
たった6文字の言葉で挨拶をする、という何気ない習慣ですが、
そこには、世界に誇れる日本の素晴らしい文化が詰まっていたのですね。
(トモタさんによる写真ACからの写真)
いかがでしたでしょうか。
今まで何気なく使ってきた「いただきます」や「ごちそうさま」ですが、
その意味や背景をきちんと知って使うことで、
“心の栄養”にもつながるような気がします。
まだまだ歴史は浅い習慣かもしれませんが、
これからもきちんと継承していきたいものですね。
また、来月は食育月間となっていますので、
この機会にぜひ、お子様とも「いただきます」「ごちそうさま」について
考える時間を作ってみてください♪
≪参考≫
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