涼しくなれる!?夏におススメ『怪談絵本』
みなさん、こんにちは!
二十四節気の「大暑」も過ぎ、いよいよ夏本番となりました。
連日の暑さに、冷たいプールや海が恋しくなるこの季節、
水難事故や熱中症等にはどうかお気をつけて、楽しくお過ごしくださいね。
(マイルドカフェオーレさんによる写真ACからの写真)
さて、夜も寝苦しい日が続いていますが、
みなさんはどんな方法で暑さをしのいでいますか?
やはり、エアコンに限る!という方が大多数だと思いますが、
たまには暗~い部屋で夜風にあたりながら、
「怖い話」で涼をとる、なんていうのもいかがでしょうか?
そこで今回のママ職ブログでは、
お子さんと一緒に読めて、涼しくもなれちゃうような、
この季節におススメの『怪談絵本』を、いくつかご紹介したいと思います!
★『おいで・・・』
文:有田奈央 絵:軽部武宏 出版社:新日本出版社
いつもの散歩道にある公園のトイレ。
そこには幽霊が出るという…
でも大丈夫、ただの噂だ。幽霊なんて怖くない…
誰でも一度は、公衆トイレの不気味さにゾッとした経験があるはず。
そんな、身近に潜む恐怖を題材にしたこの絵本は、
新日本出版社「ゾッとする怪談えほん」シリーズの1つ。
本作では、空気のよどみまで表現した文に加え、
不気味に描かれたカラスや乳母車などが、さらに恐怖心を掻き立てます。
これを読んだお子さんはもう、ひとりでトイレに行けなくなるかも?!
★『おともだち できた?』
(講談社ホームページより)
作:恩田陸 絵:石井聖岳 出版社:講談社
はじめての街に引っ越してきた、女の子とその家族。
「おともだち さがしてらっしゃい」とママに言われ、
女の子は早速おともだちを探しに外に出ますが…
この絵本、本当に怖いの?と言いたくなるような、
石井聖岳さんによるかわいらしい表紙の絵本なのですが、
読み進めると、衝撃のシーンが待っています。
そして作者は、数々のホラー小説でも有名な恩田陸さん。
読み返すごとに増していく怖さと言ったら…鳥肌ものです。
読む人によっても解釈が様々あるこの絵本、
まずは一度、大人が読んでみることをおススメします!
★『あずきとぎ』
(岩崎書店ホームページより)
作:京極夏彦 絵:町田尚子 出版社:岩崎書店
夏休み、おじいちゃんと過ごすために田舎にやってきた男の子。
そこで聞こえてきた、へんな音。
「しょきしょきしょきしょき」
おじいちゃんは、あずきとぎの仕業だと言う。
でも、そんなのいないさ、気を付けていればへいきさ。
「しょきしょきしょき…」
昔から言い伝えのある妖怪を題材にしたこの絵本は、
岩崎書店「京極夏彦の妖怪えほん」シリーズの1つ。
恐怖を引きずり出すシンプルな言葉と、
目が離せないほどリアルで怪しい絵で、
あっという間に妖怪えほんの世界へ引き込まれていきます。
この絵本を読んだら最後、あの音が耳から離れなくなります…
★『いるの いないの』
(岩崎書店ホームページより)
作:京極夏彦 絵:町田尚子 出版社:岩崎書店
おばあちゃんが住む古い家で暮らすことになった男の子。
天井は高くて、上の方には、梁という太い木が渡っている。
その梁の上の暗がりに、誰かがいるような…
男の子は、気になって気になって仕方がない。
そんな男の子に、おばあちゃんは優しく笑った。
「見なければ怖くないよ。見なければ、いないのとおんなじだ。」
でも。いるかもなと思うと見ちゃう。見たら。見たら見たら…
ストレートな怖さが、容赦なく襲ってくるこの一冊。
前述した「あずきとぎ」と同じ制作陣によって完成された絵本で、
岩崎書店「怪談えほん」シリーズの1つです。
計算された簡潔な文章と、美しくも不気味な絵によって、
身の毛もよだつこと間違いなし!本当に、本当に怖いです。
いかがでしたでしょうか?
実はこれらの「怪談絵本」、ただ“怖い”だけのものではないようです。
岩崎書店の「妖怪えほん」「怪談えほん」各シリーズを企画監修した、
文芸評論家の東雅夫さんは、次のように語っています。
「幼いころから怪談に親しむことによって、
子どもたちは豊かな想像力を養い、
想定外の事態に直面しても平静さを保てる強い心を育み、
さらには命の尊さや他社を傷つけることの恐ろしさといった、
人として大切なことのイロハを自然に身につけてゆくのです。」
このように、ただ恐怖を与えるだけではない「怪談絵本」。
その背景の大きさや、作者の願いも感じながら、
ご家族で一緒にお気に入りの怪談絵本を囲んで、
夏の一夜を楽しんでみてはいかがでしょうか?
とはいえ、今回ご紹介したどの絵本も、
大人ですらトラウマになりそうなほど本当に怖いものばかりです。
くれぐれも、心の準備はお忘れなく…
≪参考≫
・岩崎書店
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