知っていますか?環境と子どもの健康を調べるエコチル調査
みなさん、こんにちは!
梅雨入りして、雨が降ることも多くなりましたが、
それに伴い、蒸し暑さや不快感が増したように感じますね。
この暑さで「気象病」と呼ばれる
体調不良を訴える人が増えているそうです。
頭痛や倦怠感など身体の不調はもちろん、
自律神経が乱れることで
鬱などのメンタルの不調を訴える方も多いようです。
軽い運動や入浴などで症状を抑えられることがあるので、
無理をせず、ゆっくりと身体を整える時間をとって、
梅雨を乗り切っていきましょう!
さて、こうした「気象病」もそうですが、
環境が私たちの身体に影響を与えることは少なくありません。
特に近年では化学物質による影響も増え、
花粉症発症の低年齢化、喘息患者の増加などもよく聞かれます。
こうした環境が人体に与える影響を調べている
『エコチル調査』というものが行われているのですが、
ご存じでしたでしょうか?
今回のママ職ブログでは、
この『エコチル調査』をご紹介していきたいと思います!
★エコチル調査ってなに?
『エコチル調査』とは、「エコロジー」と「チルドレン」を組み合わせた造語で、
「子どもの健康と環境に関する全国調査」のことです。
この調査を通じて、
環境要因(空気や水の質、住環境、食事、化学物質など)が
子どもの健康や発達に
どのように影響するのかを解明することが目指されています。
環境省が2011年1月から全国的に行っており、
対象は10万組の子どもたちとその両親だそうです。
2011年時点で妊婦だった母親とその子どもを対象に、
妊娠中はもちろん、
その後、継続して様々なデータを収集しています。
まずは対象のお子さんが13歳になるまでを目標に
この調査が進められてきましたが、
今年、対象のお子さんたちが13歳を迎えるにあたり、
18歳まで調査が継続されることになりました。
最終的には、40歳程度になる2054年頃までを予定しているのだそうで、
本当に長期的な調査だということがわかりますね。
★調査の内容とは?
『エコチル調査』では、以下のような方法でデータが収集されています。
●アンケート調査
妊婦さんや子どもたちの親に対して定期的に行っており
生活習慣、食事内容、住環境などに関する情報が収集されます。
10歳になると、子ども自身が回答する『子どもアンケート』が開始され、
普段の生活や感じていること等、
子ども自身にしかわからないことを回答してもらいます。
●健康診断
子どもたちの発達状況や健康状態を把握するために、
定期的な健康診断を行っています。
また、学童期検査という小学校2年生・6年生で行う調査では、
検査会場に向かい、全国で統一された機器や方法で、
身体測定や精神神経発達といった検査を行いました。
●環境測定
家庭内外の環境(例えば、室内空気質、飲料水の質など)についての
データが収集されます。
1歳半と3歳で訪問調査が行われました。
●生体試料の収集
血液や尿、髪の毛などの生体試料が定期的に収集され、
環境中の化学物質の曝露状況や健康状態が分析されます。
妊娠中の母親の血液はもちろん、
父親の血液や出産後の臍帯血、母乳、
そして抜けた乳歯なども収集したそうです。
すでに集められたデータから様々な研究が進められ
450を超える論文などが発表されています。
論文はちょっと難しいですが、
現在までに集められたデータをまとめたものもあります。
こちらは、2014年11月30日時点の回答にもとづく
データクリーニング前の暫定的な結果とのことなので
これが決定というわけではありませんが
離乳食の食材をあげた時期や
スマートフォンやテレビの使用時期や時間など
身近なことがまとめられていますので
育児の参考にしてみるのもいいかもしれません。
いかがでしたか?
『エコチル調査』は、子どもたちが健やかに成長するために欠かせない、
世界も注目している大規模で重要な研究です。
環境と健康の関係を深く理解することで、
将来的に子どもの健康を守るための政策、
家庭や学校での取り組み、
そして何より医療に反映することで
様々な病気の予防や治療に生かすことができます。
これからの子どもたちが
より良い未来を築くための基盤として必要なことですよね。
今後もエコチル調査の成果に注目し、
私たち一人ひとりができることを考えていきましょう。
<参考>
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